看護師のコミュニケーション

看護師がコミュニケーション苦手な原因はコレなんです。

看護師がコミュニケーション苦手な理由

みなさんきっと,看護学生の頃からコミュニケーションが得意ではないと感じることが多いと思います。

ではなぜそう感じるのでしょうか。

患者や医師とたくさんのコミュニケーションをとる仕事にも関わらず,それでもなお看護師がコミュニケーションを苦手としているのは,こういうことが理由としてあります。

それは,

コミュニケーションの方法を習っていないからです。

この理由がとても大きいのです。

だから,患者さんとのコミュニケーション,先輩や上司とのコミュニケーション,医師とのコミュニケーションがうまくできなくても,しょうがないんです。(強調して言いたいのですが)みなさんのせいじゃないです!!

 

看護師
看護師
私ってほんとダメだ。。。

 

看護師
看護師
コミュニケーション苦手だから看護師向いてないかも。。。

 

と決めつけて,コミュニケーションを理由に看護師を諦めたりしないでください(大変な学生時代を乗り越えて,国家試験も合格してここまできたのですから)。

コミュニケーションの方法は,少しずつ,積み重ねるように身につけることができます

何かの本を読んで,明日から何かが大きく変わることはないかもしれませんが,学び続けることで話し相手の反応が変わってくることに気付くと思います。

コミュニケーションが苦手なのは,あなたのせいではないです学ぶ場がほとんどなかったことが原因なのです。

 

学生時代も学べない

学生時代を振り返ってみてください。

医療現場でのコミュニケーションに特化した授業はありましたか?おそらくほとんどの人は,そのような授業を受けていないと思います。

あったとしても,それは一般教養としてのコミュニケーションの授業だったのではないでしょうか。

○○疾患の患者さんとのコミュニケーション,といったような患者さんとのコミュニケーションを細かく学べなかったり,触れたとしても十分な時間をかけて学べていないという状況なのだと思います。

看護技術は1年生のときから学ぶのに,コミュニケーションは学んでいないはずです。

いや,問診の技術はならいました,という方はいると思います。

でも,問診とみなさんが普段の業務などで困っているコミュニケーションは違います。問診の難しさはあるのですが,それについては別なところで扱いたいと思います。

対患者さんとのコミュニケーションを学ぶ機会がないと書きましたが,唯一コミュニケーションを学ぶことができる科目があったと思います。それは実習です。

実際に病棟に行って実習する時に,指導者や教員からコミュニケーションの仕方を指導してもらったと思います。ペーパーペイシェントでのコミュニケーションではなく,実際の患者さんとのやりとり,そして臨床経験の多い指導者さんから教えてもらえるこの経験は,とっても大切なものですし,得るものが多かったと思います。

貴重な経験である一方で,気になるのは,実習ではコミュニケーションについて体系的に学ぶことができないということです。指導者さんは,これまでの経験をもとに,目の前の患者さんにはどのように声かけしたらいいか,私見を具体的に教えてくれると思います。

「この患者さんは●●だから,上から目線で指導するんじゃなくて,●●の方がいいですね」

といったように。

この指導者さんのアドバイスの背景には,どのような心理学的な根拠があり,今後学生が遭遇する同じような場面では,Aというコミュニケーションがいいというところまでは指導がないと思います。

せっかく目の前の患者さんから学んだことを,構造化したり,整理したりすることができないままにどんどん実習は進んでしまいます。

残念ではありますが,こうして大きな学びのチャンスを逃すのです。

 

院内研修でも学ばない

看護師になってからは,院内での研修に参加したと思います。
短期間で終わってしまう研修もあれば,じっくり時間をかける病院もあるかもしれません。

ただ,ここでもコミュニケーションについて学ぶ機会はないと思います。

あるとしたら接遇のような視点でコミュニケーションを学ぶことでしょうか。

病棟としては,コミュニケーションというよりも,まずは一人の患者を受け持つことができることが求められます。それはつまりカルテから情報収集できるとか,カルテに入力できるとか,検温して標準的な看護ができるのかなど,いわゆる看護業務が抜けなくできるかどうかです。

こうして病院に入ってからも,コミュニケーションについて学ぶ機会は生まれないのです。

※病棟カンファレンスで特定の患者とのやりとりの仕方について検討したりすることはあると思います。

管理者向け研修でも学ばない

では,チームリーダーや師長になればコミュニケーションについて学ぶだろうと思うかもしれません。

しかし,ここでもコミュニケーションに特化して学ぶことはありません。

リーダーになれば,医師とのやりとり,師長とのやりとり,患者家族とのやりとりなど,これまでとは違うコミュニケーション場面が増えます。

また師長は,病棟スタッフのさまざまなことがら(看護の質,キャリア,健康など)を管理することになりますが,ここでも対スタッフのモチベーションや共感といった要素を含んだコミュニケーションがとても重要となります。

しかし,それに特化した理論と実践を学ぶ研修内容は入っていないのです。

ではどうやって学べばいいの?

このブログでは,コミュニケーションに関する上達方法や考え方,心構えなどをお伝えしていきます。ぜひ読んでいただき,少しでもお役に立てればと思います。

その他にも,コミュニケーションの参考になるような書籍もご紹介したいと思っています。

コミュニケーションが苦手だから看護師は無理だ。。。と決めつけず,少しずつコミュニケーションの取り方を変えてみて,そこから改めて考えてもらえたらと思います。

患者さんにとっても,そして看護師のあなたにとってもよい結果になることを願っています。