MIPSとは
患者さんのために」と一生懸命伝えているのに、なぜか話がかみ合わない。
患者さんの思いを聴きたいけれど、どこまで踏み込んでよいのかわからない。
そんなコミュニケーションの難しさを、ひとりで抱えていませんか。
MIPS(ミップス:Motivational Interviewing Peer Space)は、動機づけ面接(MI)を仲間とともに学び、練習し、日々の実践に活かしていくための学習コミュニティです。
MIを「知っている」だけで終わらせず、実際の対話で使えるようになること。そして、お互いの経験から学び合いながら、患者さんや周囲の人を支える力を少しずつ育てていくことを目指しています。
初心者の方も、すでにMIを学んでいる方も歓迎します。
経験や職位を越えて、安心して立ち止まり、試し、振り返ることのできる場所。それがMIPSです。
こんな経験はありませんか?

- 必要なことを説明しているのに、患者さんの反応が今ひとつに感じられる
- 「やらなければいけないのは、わかっています」と言われた後の言葉が見つからない
- 患者さんの気持ちを聴きたいけれど、つらい話が出てくるのが怖い
- 治療や療養の方法を、患者さん自身に納得して選んでもらいたい
- 新人やスタッフを支えたいのに、つい答えや指示を先に伝えてしまう
- 一生懸命に関わっているのに、支援がうまくいかず、自分を責めてしまう
これは、あなたの熱意が足りないからではありません。
私たち医療者は、病気や治療について学ぶ機会は多くても、相手の迷いや価値観を理解し、その人自身の言葉を引き出す対話について、十分に練習する機会がなかったのかもしれません。
MIPSでは、こうした実践上の困りごとを持ち寄り、MIの考え方とスキルを手がかりに、一緒に考えていきます。
動機づけ面接とは
動機づけ面接は、相手を説得したり、こちらの考える「正しい行動」へ誘導したりするための技法ではありません。
たとえば、患者さんから、
「減塩しなければいけないのはわかっています。でも、仕事もあるし、続けられる気がしません」
と言われたとします。
このとき、すぐに方法を教えたり、「少しずつでも頑張りましょう」と励ましたりする前に、その人が感じている難しさや迷い、大切にしていることに耳を傾けます。
「変わりたい気持ち」と「今のままでいたい気持ち」。
その両方を尊重しながら、本人の中にある理由や可能性を一緒に見つけていく。それがMIの基本的な考え方です。
MIを学ぶと、相手に何を言えばよいかだけでなく、
どのような姿勢で相手の隣に立つのか
を考えられるようになります。
患者さんを「変える」ためではなく
医療者として、患者さんの健康を願うのは自然なことです。
その思いが強いほど、「このままではいけない」「なんとか変わってもらわなければ」と感じることもあります。
しかし、強く説得しようとするほど、患者さんが自分を守るために反対の理由を話したり、会話から離れたりすることがあります。
動機づけ面接で考えるのは、どうすれば患者さんを変えられるかではありません。
患者さんが安心して自分の思いや迷いを話し、自分にとって大切なことをもとに考えられる対話を、どのようにつくるか。
そのために、まず私たち自身の聴き方や伝え方を見つめ直します。
必要な情報や助言を伝えることもあります。ただし、一方的に教えるのではなく、相手の理解や希望を確かめ、許可を得ながら一緒に考えていきます。
MIPSが大切にしていること
コミュニケーションは、本を読むだけではなかなか身につきません。
実際に言葉にしてみる。相手の反応を受け取る。仲間からフィードバックをもらう。そして、もう一度試してみる。
MIPSでは、この繰り返しを大切にしています。
- 初心者であることを恥ずかしく思わなくてよい
- うまくできないことも、安心して話せる
- 一つの正解を押しつけず、みんなで考える
- お互いの経験や気づきから学び合う
- 学んだことを、それぞれの現場へ持ち帰る
「上手に話せる人になる」ことだけが目標ではありません。
患者さんや周囲の人と向き合うときの見方が少し変わり、対話に対する不安が少し軽くなることも、私たちが大切にしたい学びです。
どんな人が参加できますか?
MIPSは、次のような方に参加していただきたいと考えています。
- ★「動機づけ面接」という言葉を聞いたことはあるけれど、まだよくわからない
- ★本を読んでみたけれど、実際の使い方がわからない
- ★患者さんの行動変容を支援したい看護師
- ★治療や療養に関する意思決定を支援したい看護師
- ★患者さんやご家族の思いを、もう少し丁寧に聴けるようになりたい
- ★新人スタッフや学生の成長を支援する教育担当者
- ★スタッフが主体的に考えることを支えたい管理職者
- ★動機づけ面接を継続して練習できる仲間を探している方
参加するために、特別な知識や経験は必要ありません。
「少し気になる」「自分の関わり方を見直してみたい」という気持ちが、最初の一歩です。
MIPSの活動
MIPSでは、動機づけ面接を知識として学ぶだけでなく、実践し、振り返り、継続して磨いていくための活動を行います。
- オンライン・ワークショップ
- 対面ワークショップ
- ロールプレイとフィードバック
- 実践事例・症例の検討会
- 動機づけ面接研修の企画と開催
- 学会でのワークショップ、交流集会、セミナーなどの共同企画
- MIを学ぶ仲間同士の交流
初めからうまくできる必要はありません。
「やってみる」「振り返る」「もう一度試す」という小さなサイクルを、仲間と一緒に積み重ねていきます。
初めて学ぶ方へ
MIPSでは、初めて動機づけ面接に触れる方のために、「動機づけ面接入門編」を用意しています。
入門編は、オンラインで行う2日間のワークショップです。
動機づけ面接とはどのようなコミュニケーションなのか。普段の関わり方と何が違うのか。簡単な体験を通して、動機づけ面接の入り口を学びます。
「自分に必要なものか確かめたい」という方も、まずは入門編から気軽にご参加ください。
世話人
藤澤雄太
国立看護大学校 講師
人間科学博士
寛容と連携の日本動機づけ面接学会 常任理事
田中靖弘
榊原記念病院 師長
心臓リハビリテーション指導士
心不全療養指導士
一緒に学んでみませんか?
動機づけ面接に興味はあっても、最初の一歩には少し勇気が必要かもしれません。
「知識がないから」「うまく話せないから」と、ためらう必要はありません。
MIPSは、すでにできる人だけが集まる場所ではなく、これから学びたい人が、仲間と一緒に育っていくための場所です。
患者さんとの対話を、もう少し大切にしたい。
自分の関わり方を、少し見直してみたい。
そう感じたときが、学び始めるタイミングです。
あなたもMIPSで、私たちと一緒に学んでみませんか。
一緒に学べるのを楽しみにしています!
